もし、「うら」が「裏」であるのなら…?

著作者:西川勝
出版社:サウダージ・ブックス
デザイン:加藤賢一
発行年:2013年

「一人」のうらに 尾崎放哉の島へ

選者:本は人生のおやつです!!

 タイトルを見た時「うら」から連想した漢字は「浦」でした。というのも、自由律俳句の俳人・尾崎放哉が晩年を過ごした小豆島が浮かぶ瀬戸内海の、少しさみしげな海原がカバーに描かれているからです。しかし、読み進むうちに、むしろ「裏」であること。もしくは、ダブルミーニングであるがゆえ、ひらがな表記にしたのではないか、と思い始めました。
 待てよ、もし、「うら」が「裏」であるのなら…?
 気になって、読んでいる途中でカバーをめくってみたら、そこにはなんと、生命力を感じさせるような、満開の椿の花が…!
 カバーの青と表紙の赤。「一人」に潜む「もう一人の自分」から繋がる「他との関わり」。これ以上なく内容を現した装テイだと思います。

※内容・肩書きは、執筆当時

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