空に牡丹 登場人物の生きていた時空とつながる
著作者:大島真寿美
出版社:小学館
デザイン:鈴木久美
発行年:2015年
選者:大島真寿美(作家)
「空に牡丹」は、静助さんという、明治時代、花火に魅せられて財産のほとんどをつぎ込んでしまった(阿呆な)男の物語です。
であるからして、カバーにはもちろん、花火が描かれています。
小説の語り手は静助さんの子孫。
現在から過去を語るという形式ですので、花火の下には現代の町がみえています。
が!
さあ、脱がしてください。すると! 静助さんの生きていた明治の時代がそこに現れるのです。
彼が空に咲かせた牡丹(花火)がずーっとこちらの時空にまでつながってきているような気がしませんか?
(と思って、本を開くと、そこには、ほら! 美しい花火が!)
という仕掛けになっていたんですけどね! あんまり気づかれなかったね! 残念!
※内容・肩書きは、執筆当時