控えめに、だけども、どーんと「薄口醤油の芸術」

著作者:井上理津子・団田芳子
出版社:創元社
デザイン:濱崎実幸
発行年:2012年

関西名物

選者:井上理津子(ライター)

 少し凹凸のある草色の紙は、上品な包装紙。細い紐でラッピングされ・・そして鹿クンがお土産を口でくわえている。いいねいいね、と最初に見せられたとき思ったが、そのカバーを取ると、うわ〜! 感嘆したことが記憶に鮮明だ。我が関西の「薄口醤油の芸術」が折詰されていて。これは、知る人ぞ知る京都「しののめ」の「じゃこ山椒」。ものすごく端正なお味なのです。
 本書は、共著の団田さん、編集の松浦さんと一緒に選びまくった、タイトルどおり「関西名物」と呼ぶにふさわしい美味67品のエッセイ風紹介本。どう? 控えめに、だけども、どーんと。皆さん、このヌード表紙、見て見て。と、開くたび、静かに叫びたくなる。装丁は濱崎実幸さん、写真は酒井羊一さん。

※内容・肩書きは、執筆当時

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