なんとも色っぽい本のからだ

著作者:小出龍太郎・明里千章・荒川朋子
出版社:春風社
デザイン:矢萩多聞
発行年:2006年

小出楢重と谷崎潤一郎 小説「蓼喰ふ虫」の真相

選者:矢萩多聞(画家・装丁家)

「本のヌード展」の選書を頼まれた時、まっさきに思い浮かんだ本。本書は小出楢重と谷崎潤一郎のつながりを書いた評論で、ジャケットで小出が描いている絵を、表紙にカラーで印刷したら入れ子みたいになって面白いんじゃないか、と思いついた。
 素材の選定中に、一枚の画に釘付けになった。なんて美しい背中のヌードだろう! 本を人間にたとえるならば、表1がからだの正面。表4は背中。「蓼食う虫」とは直接的な関連はないのだけど、この絵を使うことになった。個人的好み丸出し装丁。それにしても、ジャケットが1~2色で、表紙が4色という本って、なんとも色っぽいと思うのです。

※内容・肩書きは、執筆当時

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